『コロニー』演出付き台本 [マリヴォー]
ホームページ sanki's empty space に『コロニー』演出付きを掲載しました。
これは2016年に、私のゼミのリーディング公演で使ったものです。
女性の“活躍”、女性の“活用”・・・掛け声ばかりで、
「この国は女性にとって発展途上国だ」というコピーが
多くの働く女性たちの共感を呼ぶ“現代”という私たちの時代・・・
マリヴォーの『コロニー』は、このテーマを“ガチ”で取り上げました。300年前に・・・
ある国の住民が、外国の侵略を受け、祖国を捨てて逃げ出した。
彼らはある島にたどり着き、そこで新たな国づくりを始める。
えっ?しかし、そもそも、祖国を捨てるという事態を招いたのは、
男たちによる無能な政府と、男たちのつくったお粗末な法律ではないか、
と女たちは言いだします。この期に及んで、
男たちはまだ女性の意見を聞こうともせず、自分たちだけで国をつくろうとするのか?
女たちはついに立ち上がる・・・
2016年はゼミの学生数が多く、ダブルキャストで2回公演を行いました。
ダブルキャストになったので、ちょっと面白いことができました。
マリヴォーのテクストにはないコロスをつくって、
その日の裏キャストにそのコロスになってもらった。
コロスを客席側に配置して舞台側との温度差を強調し、同時に
観客をコロス側に並べることで、観客たちの“当事者性”を暗示する・・・
みたいな、そういうことを、まあ、やってみることができた。
コロスは、マリヴォーのテクストには存在しませんが、
『コロニー』という芝居が、直接あるいは間接的に、
アリストファネスの『女の平和』にインスピレーションを得ていると思われるので、
アイデア的には可能と思われます。ちなみに、
コロスというコレクティブな存在が台詞を言うのだけれど、台詞はそのままです。
ホームページURL : http://www012.upp.so-net.ne.jp/sankis-es/
画像は公演の時のフライヤーです。
公演の準備に追われ、公演時にはブログで紹介しそこないましたので、
いま、ちょっと遅いですけど紹介します。
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