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ナターシャ・クドゥリツカヤ ラモー「組曲」 [クラシック]

近頃毎日聞いているCDです。

18世紀の作曲家ラモー(1683-1764)は
マリヴォー(1688-1763)と同じ時代に生きています。
オペラ作曲家としても有名ですが、「組曲」はチェンバロ(クラヴサン)の曲。

ナターシャ・クドゥリツカヤ(Natacha Kudritskaya)は
ヤマハのグランドピアノでこれを弾きます。
ピアノ・ソロです。

なんてすばらしい音なんだろう・・・

バロック音楽として、というよりは、
美しい音の連なりとして聞こえます。
美しい音の重なりとして聞こえます。

音の”感触”としては、
キース・ジャレットの「ステアケース」を思い出します。

結晶した音がクリスタルのかけらのようにぶつかり合って音を紡ぎだす。

何度聞いても飽きない。聞き終わるとまた初めから聞きなおす。
何度も何度も聞きなおす。
何度聞いてもみずみずしい・・・

いまフランスで大人気のピアニスト、アレクサンドル・タローもピアノでラモーを弾いています。
ピアノですけど、チェンバロのように指を運びます。
端正で澄んでいる。

ナターシャ・クドゥリツカヤの弾くラモーは初めからピアノ曲のようです。
理知的なピアノでもなく、情熱的なピアノでもなく、
ただ、やさしくあなたを包みます。
フィンランドの夏の光のようです・・・

とか言って、フィンランドには行ったことがありませんけど・・・

ナターシャ・クドゥリツカヤはウクライナ、キエフの出身。
19歳でフランスに来ました。
ある時、ラモーの有名な「ガヴォット」(「組曲」の中の一つ)と出会い、
先生のところに行って、これやりたいです、と言ったら、
そんな、1曲じゃだめだよと言って、「組曲」ぜんぶの楽譜を渡されました。

それが始まりで、
ラモーの「組曲」はナターシャ・クドゥリツカヤのファースト・アルバム。

「レの組曲(Dの組曲)」と「ラの組曲(Aの組曲)」があって、
「ガヴォット」は、たとえば、「ラの組曲」の中にあります。

「レの組曲」は、たとえば、
「愛の繰り言」とか「溜め息」とか「ミューズたちの会話」とか、
ちょっと”雅な宴”風(?)なかわいらしいタイトルがついています。

でも、ナターシャ・クドゥリツカヤのピアノはとても自由です。

ラモーの楽譜には、ほとんど指示というものが書かれていなくて、
自由に弾けるところが好きだと、彼女は言っています。

私はマリヴォーの芝居のことを思います。
ほとんどト書きが書かれていないので、
これを演じようとする者は、やはりとても自由なのです。

ナターシャ・クドゥリツカヤがラモーを弾くように、
マリヴォーを”弾き”たい、などと考えます。

いまYouTubeで、
「ガヴォット」を演奏するナターシャのパフォーマンスを見る/聴くことができます。
モノクロームの美しい映像です。
natacha kudritskaya で検索すると出てきます。
http://www.youtube.com/watch?v=HuJ-LKEH6W0

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