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マリヴォー 『奴隷の島』 4 [マリヴォー]

IMG_0173_edited-1.jpg「時間堂」の『奴隷の島』(黒澤世莉演出)は来週の公演開幕をひかえて、新しい創作過程に入りました。

その名も「ワークインプログレス」!

作品はまだ完成はしていないものの、かなり出来上がってきた。
この段階で、観客に見せて、遠慮のない意見を聞こうという・・・
けっこう勇気のいることなんじゃないのかな、と僕なんかは思いますけど・・・

それで、昨日、そのワークインプログレスを見に行ってきました。
ワークインプログレスは、明日月曜日までやっています。
興味ある方はぜひ行ってみてください。
演出家や役者さんの苦労はそっちのけで、ひとりの観客としてけっこう思い切った意見を述べてかまわないみたいです。しかも無料です。

写真は、7時からのワークインプログレス開始を前に、身体をほぐしたり、台詞合わせをしたり、ご飯を食べたりしているところ。
写真を撮った本人的には、なかなかいい雰囲気を伝えている写真だと、
ちょっと得意顔なんですがどうでしょう・・・

21日から始まる「時間堂」の公演は"smallworld's end"というタイトルで、
比較的短いものから、ごく短いもの(5分)まで、5作品を集め、
盛りだくさんにまとめて上演するという面白い企画です。
写真に写っている役者さんも、マリヴォーに出る人、ピンターに出る人、チェーホフに出る人、そして岸田國士に出る人とさまざま。
実際の公演は、マリヴォー70分、岸田國士とチェーホフとピンターの3本で60分、アゴタ・クリストフ60分の3セットに分かれていて、途中それぞれ20分の休憩があります。

ワークインプログレスではその3セットから毎回2セットを選んでまわしながらやっています。昨日はマリヴォーとチェーホフ・グループの2セットが演じられました。
観客は、お芝居大好き的小学生少女(彼女自身は確かバレエをやってるのかな。間違ってたらごめんなさい)、それから、土曜の夕べは軽く芝居でもいく?的ないい感じの壮年カップルなどなど・・・僕なんか、そういう客席の景色にもう感動。やっぱり、芝居ってさ、これなんだよねー、みたいな・・・
チェーホフもピンターも岸田國士もぜんぶ面白かったのだけれど、僕の関心はどうしてもマリヴォーなので・・・
で、そのマリヴォー、面白い。
いや、もちろん僕は、翻訳者として、この公演が成功することを祈ってますけど、だからといって、面白くないものを面白いとは申しません。
フランス古典劇が日本でかつてこれほど面白くかつ可笑しかったことはないと思う(まあ、これは想像ですけど・・・)。とにかく笑える。むずかしいとか、そういうことはまったくなく、楽しい。小学生のあの女の子も笑っていた!

2009年の東京の若者たちの演劇の現在の中で、マリヴォーという古典がものすごくダイレクトに生きている感じ。古典というテクストをベースにしてるんだけれども、そしてそれは一種の「ゲームのルール」としてこのゲーム(プレイ)では従わなければいけないものなのだけれども、それが彼らの自由を束縛する枷(かせ)になることはなく・・・

小劇場オリジナル演劇のマイナスな側面(?)・・・僕たちのフツーな日々、私たちの日々をとり囲むフツーなものたち、時代という遠い虚像や世界というつかみどころのない幻影、フツーのものから演劇的なものを創造することこそが演劇なのだという強迫観念・・・むしろ、役者たちはそうした束縛から解放されて、古典の上を伸び伸びと羽ばたく・・・みたいな・・・まあ、ちょっと大げさだけれども、でもね、そんな感じ・・・
IMG_0161_edited-1.jpg

写真は台詞合わせをするクレアンティス(大竹悠子さん)とアルレッキーノ(鈴木浩司さん)です。なにせ18世紀の芝居なので、長い長い台詞がいっぱいあるんです。

smallworld’end(スモールワールズエンド)10月21日より
時間堂 http://www.jikando.com/

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